こんにちは、なりなりです(^ ^)
BROMPTONは坂道、上り坂に弱いとかトップギアが重すぎるとかよく言われますが、この欠点の克服法を考えます。
BROMPTONの良いところは
- 20Lを超える大容量の純正バッグが提供されている
- 折りたたむとbirdyを遥かに凌ぐ小ささで、言われなければ自転車を運んでいると分からないし、中型のコインロッカーに入る
- キャスター付きの輪行バッグ(ころが~る)が標準オプションで提供されているから誰でも輪行出来る
- リアにサスペンションが有り振動が少ない
- 体を起こした乗車ポジションのお陰でゆっくり走るのに向いている
欠点としては
- 重量が12kg程度とスポーツ自転車としては勿論、折りたたみ自転車としても重い
- 本格的に走る場合は6速モデルとなるが、内装3段 + 外装2段という特殊なギア構成であるため扱いが面倒
- 乗車ポジションに反して、標準では重め、スピードに振ったギア構成となっているため、上り坂に弱い
などが有ります。
BROMPTOPNの積載性の高さと輪行のしやすさは欠点を補って余りありますが、少しでも欠点は無くしたいです。
重量はオプションでフォークとリアフレームをチタン製にすることで軽量化できるのですが、500gしか変わらないので、一般的感覚からするとコスパが悪いし、重ければころが〜るで運べは良いのです。
BROMPTONのフレームはリムから交換したとしても外装3段が限界みたいなので、多段化するには内装と外装の組み合わせからは逃れられません。外装だけで多段化するには自分でやるかマニアックなショップを見つけるか、チェーンの脱落を含む折りたたみ性の低下を覚悟しなくてはいけませんから、僕は諦めます。
そうなると、あとは、ゆったりポジションにも合うし、坂道も上れるように、ギア比を変更することくらいになります。
先ほどからゆったりポジションと書いていますが、Mハンドルはそうですが、Sハンドルならクロスバイク並みのスポーティさは得られます。ただし、birdyなどの様な外装9段変速とは違って、変速がスムーズでは無い分、爽快感がスポイルされてしまいます。
折りたたみ自転車 birdyとBROMPTONとロードバイクの登坂力比較 - なりなり日記
登坂力に関しては、こちらで一度ざっくり比較していますが、もう少し詳しく比較していきます。
標準での一漕ぎ距離
モデル毎の一漕ぎ距離(m)は
ギア | 6速 | 3速 | 2速 |
---|---|---|---|
1 | 2.64 | 3.82 | 4.47 |
2 | 3.25 | 5.09 | 5.96 |
3 | 4.14 | 6.78 | - |
4 | 5.09 | - | - |
5 | 6.49 | - | - |
6 | 7.98 | - | - |
これがミズタニサイクルがショップに配布しているカタログに掲載されている公式情報なのですが、3速モデルから分かる内装のギア比は0.75/1.00/1.33です。
6速モデルの情報から、7.98/6.49 = 5.09/4.14 = 2.64/3.25 = 13/16となるので、スプロケットは13/16Tの様です。
しかし、7.98/5.09 = 1.56、3.25/5.09 = 0.64ですから、6速モデルの内装ギア比は0.64/1.00/1.56ということになります。
6速は内装3速 x 外装2速の組み合わせなのですが、3速モデルと6速モデルの内装変速機は異なるようです。
上に示したカタログの写真にも、3速モデルはBSR(BROMPTON Standard Range)3段変速ハブ、6速モデルはBWR(BROMPTON Wide Range)ハブとなっています。
判明したギア比からタイヤ周長を逆算すると1.33mとなります。
チェーンリングの変更
結論から言って、BROMPTONで上り坂を楽に登るために最も勧めな方法は、チェーンリング(フロントギア)を標準の50Tから40Tに変更することです。
それは、
- 大金をかけない
- 面倒なことにならない
- 自分でやったとしても大したことない
- 効果は確実に有る
唯一の方法がチェーンリング、フロントギアの歯数変更だからです。
純正のチェーンリングを使う場合は、標準装着されている50Tの他に54Tと44Tがあり、登坂力強化のためなら44Tに変更します。
何故なら、
- タイヤの周長L
- 内装変速機の比率R
- チェーンリング(フロントギア)の歯数FT
- スプロケット(リアギア)の歯数RT
とした時のペダル一漕ぎ進む距離は、L x R x FT / RTとなり、この値が小さいほど楽に坂を上れるからです。
厳密に言えば重量(車重 + 自分の体重)Wが軽いほど楽に上れるので、W x L x R x FT / RTが小さいほど登坂力が高いということですが、車重に比べれば体重の方が遥かに重いし、体重は人それぞれなので、ここでは重量は考慮しません。
但し、50Tでは重いから44Tに変更したものの、違和感があって元に戻したというブログも見かけます。それは、50Tから44Tの変更では、各ギアでの一漕ぎで進む距離が変わってしまうから。
http://www.loro.co.jp/blog/east/2017/06/hh40t-1.htmlhttp://www.loro.co.jp/blog/east/2017/06/hh40t-1.html
純正ではありませんが、LOROが扱っているBROMPTON用40Tチェーンリングが販売されており、僕のM6Rはジャンクション東京で購入していますが、ローロで購入した40Tを持ち込んで交換して貰いました。
下の方で示しますが、40Tにすることによって、一番重いギアが無くなって一番軽いギアが1段追加されるだけで、中間のギアによる一漕ぎ距離はほぼ変わらなく出来ますから違和感が有りません。
以下で、birdy airを基準として、M6Rのチェーンリング50Tの標準、チェーンリングを純正オプションの44Tに変更、標準外の40Tに変更、エントリークラス ロードバイクの代表としてTREK Emonda ALR4、私が乗っていたグラベルロードバイク GIANT REVOLT1を比較します。
表中では
- birdy monocoque airはbirdy
- BROMPTON M6RはBRO
- TREK Emonda ALR4はALR4
と省略して書きます。
車種 | birdy | BRO(50T) | BRO(44T) | BRO(40T) | ALR4 | REVOLT1 |
---|---|---|---|---|---|---|
重量 | 9.87kg (ペダル除く) | 12.2kg | ← | ← | 9.09kg (ペダル除く) | 10.5kg |
タイヤサイズ | 18x1.25 | 16x1-3/8(35-349) | ← | ← | 700x25c | 700x35c |
タイヤ周長 | 1.325m | 1.33m | ← | ← | 2.105m | 2.168m |
チェーンリング | 52T | 50T | 44T | 40T | 50/34T | 48/34T |
スプロケット | 11-32T | 13/16T | ← | ← | 11-28T | 11-34T |
内装比率 | - | 0.64/1/1.56 | ← | ← | - | - |
登坂力に関係のある各車の仕様は上記となっています。
タイヤの周長はタイヤメーカーにも情報が無いのですが、
https://www.cateye.com/files/manual_dl/1/129/Tire_size_chart_JP_151023.pdfhttps://www.cateye.com/files/manual_dl/1/129/Tire_size_chart_JP_151023.pdf
大抵のタイヤについてはキャットアイが提供しており、多くの人がこれを参考にしているのだと思います。
ここにはbirdy monocoque airの18x1.25の情報が無いため
BD-1 タイヤの周長/ 適正空気圧/ 重量 について | 折りたたみ自転車・ミニベロ専門店 GREEN CYCLE STATION
GCS横浜の情報を使います。この中のシュワルペ KOJAK 18×1.25が標準で装着されているタイヤです。
一漕ぎで進む距離(m)を一覧で示すと以下になります。
表ではbirdyを基準にして、おおよそ同じ一漕ぎ距離の状態を同じ行に表示させており、birdyとBROMPTONは全ての値を表示、ロードバイクはトップギアから4速とローギアから4速は表示、後は抜粋です。
birdy | BRO(50T) | BRO(44T) | BRO(40T) | ALR4 | REVOVT1 |
---|---|---|---|---|---|
- | - | - | - | 9.57 | 9.46 |
- | 7.98 | - | - | 8.10 | 8.00 |
- | - | 7.02 | - | 7.02 | 6.94 |
6.26 | 6.49 | - | 6.38 | 6.19 | 6.12 |
5.74 | - | 5.71 | - | - | 5.48 |
4.92 | 5.09 | - | 5.19 | 5.01 | 4.96 |
4.31 | - | 4.50 | - | 4.25 | 4.34 |
3.83 | 4.14 | 3.66 | 4.09 | 3.77 | 3.88 |
3.28 | 3.25 | - | 3.33 | - | 3.20 |
2.87 | - | 3.12 | - | 2.93 | 2.84 |
2.46 | 2.64 | - | 2.84 | 2.72 | 2.46 |
2.15 | - | 2.34 | 2.13 | - | 2.17 |
BROMPTONはbirdyより高速設定で、ロードバイクのトップから2番目相当のギアを持ってることが分かります。ローギアもALR4と同等ですから、Y's Road川崎のスタッフさんが登坂力も遜色ないと言った根拠はこれかもしれません。
BROMPTONは12.2kg、ALR4はペダルを考慮(僕のbirdyと同じとして600g)しても9.69kgですが、それを考慮しても2.60x(12.2 + 59)/(9.69 + 59)=2.69m相当と考えられ、ALR4の登坂力と遜色無いです。
但し、そもそもロードバイクは峠を意識したものではなく、多くのライダーは峠越え時にはダンシングを交えて必死に上っていくもので、一般の人にも、BROMPTONにも馴染みません。
それに、僕がREVOVT1に乗っていても、トップと2番目のギアは重すぎて下り坂でしか使いません。
BROMPTONに乗って、下り坂で加速なんてしないでしょうから、標準のトップギアなんて使わないでしょう。
更に、BROMPTONよりは飛ばしたくなるだろうbirdyでも今のトップギアより重くする必要性はあまり感じないことを考えると、BROMPTONのチェーンリングは40Tが最適に思えます。
【birdy air / BROMPTON / Tyrell IVE SPORTS / iruka】コンパクトさと走行性能を兼ね備えた折りたたみ自転車4車種を徹底比較 - なりなり日記
僕のお勧めの折りたたみ自転車がこちらなのですが、IVEもirukaもbirdyとよく似たセッティングになっています。
というわけで、チェーンリングを40Tにするだけで、峠道もほぼ問題ないbirdyと同様の使い勝手に出来ます。
繰り返しになりますが、最初にBROMPTON標準の50Tで買ってしまったけど坂道に強くしたい場合も、40Tにすればトップを1段削ってローを1段増やすだけで、他のギアはほとんど変わらないので違和感が無いと思います。
50Tで買ってしまった人の大半はトップギアを使っていないと思うので、純正オプションの44Tではなく、サードパーティの40Tにするのが最適なのです。
BROMPTON M6R BLACK EDITION 2020 ブラックラッカーを購入しました! - なりなり日記
僕の場合は購入時に40Tに変更して貰いましたが、箱根を登ってみたところ
【BROMPTONで行こう!】JR東海道線で輪行して箱根湯本〜大涌谷〜芦ノ湖〜小田原 - なりなり日記
この日は体調が今ひとつでしたが、湯本から小涌谷を超えて元箱根港まで行くことが出来ました。
その他の解決法
スプロケットの変更
一般的にはチェーンリング(フロントギア)よりスプロケット(リアギア)変更の方が効果が大きいです。
何故なら、元々スプロケットの方が歯数が少ないため、歯数の増減の影響が大きいからです。
スプロケットの歯数増加にチャレンジしている人がブログなどであまり見かけないと思っら、BROMPTONはチェーンテンショナーとの関係で基本的には最大16Tな様です。
スプロケットの3速化
http://www.loro.co.jp/blog/lwr/2018/06/1223334444.htmlhttp://www.loro.co.jp/blog/lwr/2018/06/1223334444.html
https://www.google.co.jp/amp/cycleshibuya-staff.seesaa.net/article/460949363.html%253famp=1https://www.google.co.jp/amp/cycleshibuya-staff.seesaa.net/article/460949363.html%253famp=1
スプロケット3速化して17Tや18Tまでいけてる様ですがお金かけ過ぎ(^◇^;)
かつ、内装3段との組み合わせは無理そう。
BROMPTONの外装3速化キットTi parts workshop BTP-28Aを導入で登坂が楽に
ショップなんて頼りにせず自分でやるぜ!という方なら、こちらなどは内装3段x外装3段で、スプロケットは最大19Tにされてます。
でもまあ、僕にも多くの皆さんにも遠い話です。
内装5速化
http://www.loro.co.jp/bro510set/brompton510.htmlhttp://www.loro.co.jp/bro510set/brompton510.html
標準の3速と同じメーカー、スターメーアーチャーが全く同じ形状の5速モデルを出しているので、交換するだけで5速化出来て、重い方と軽い方に1速ずつ追加できます。
LOROでも取り扱いがあるのですが、メールで問い合わせるとデメリットが結構あるので、店に来て相談してくれとのこと。
GCS横浜に相談された方もいらっしゃるようですが、自分で購入したものを持ち込めば対応はするけど、振動で変速してしまったりトラブルが多く、元に戻して欲しいという依頼も受けているためお勧めしないとのこと。
僕もGCS横浜でBROMPTONについて相談した時に、あまり登坂力を上げる余地が無いから、birdyを勧めると言われました。
そもそも、内装変速機はペダルへの負荷が無い状態、止まっているか、ペダルを漕ぐのをやめている時にしかギアチェンジ出来ないので、坂を上っている途中では変速しにくいんです。
急坂を上っている最中に漕ぐのをやめたらすぐに止まってしまいますから、変速のたびに止まることになってしまいます。
ですから、登坂力を上げるために段数を増やすのなら、外装変速機でなければ意味が有りません。
今回の検討で意外だったのが、18インチのbirdyと16インチのBROMPTONのタイヤ周長がほとんど同じだったことです。
タイヤのインチだけでなく、種類までよく見ないと比較は出来ないんですね。奥が深い!
スピードライブを使う
最も強力に強化する方法は
フロントダブル化困難なBROMPTON / IVE / irukaなどの登坂力強化にスピードドライブは如何? - なりなり日記
BROMPTONのスピードドライブによるフロントダブル化を詳しく検証してみる - なりなり日記
BB、クランクをスピードドライブに変更すると、登坂力とスピードを両立させることが出来ます。
お勧めは、マウンテンドライブにして、50Tのチェーンリングにすることです。
この場合は、サイクルハウスしぶやにお願いすることになります。
相談するショップについて
Y's Road上野で話を聞いてみましたが、内装ギア比をご存知なかったです。
川崎店では3速の内装の方がワイドレンジだと言われました。
チェーンリングを40Tに変更する程度の改造も対応しないとのことなので、せいぜいBROMPTON純正オプションの44Tに変更するくらいで、後は何もいじらずに乗るなら、ここで買っても良さそう。
但し、20%分のオプションプレゼントなどの大きな値引きは前年品、又は新機種投入直前にならないと実施されず、そうでなければ2%オフなのでお得感は無いです。
GCS横浜は常時5%オプションプレゼントですし、和田サイクルも5%オフ品が結構置いて有ります。
LOROは定価販売が基本な様ですが、オリジナルのMタイプハンドルや内装5速化など、改造に積極的です。
店の雰囲気は
- Y's Roadは量販店で旧モデルは安く買える
- GCS横浜は横浜的お洒落感を強く演出、カスタム対応にはあまり積極的でない
- 和田サイクルは一見すると街の自転車屋さんだけどカスタムにも積極対応
- LOROは店舗数が多めだけど店が小さくてマニアックな感じでカスタム対応に積極的
とかなり異なります。
僕はGCS横浜も好きなのですが、カスタム対応の良さでLOROにすると思います。
【2024年版】BROMPTONのススメ〜買って悔い無く一生物となる折りたたみ自転車 - なりなり日記
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