今月になって050 plus(ゼロゴーゼロ プラス)のiPhone用IP電話サービスが開始されました。NTTグループが本格参入したことによって、ケータイの3GでのIP電話と言えばSkype一択であった時代(これも始まったのは最近ですが)が終わり、今後、一気に盛り上がることを期待せずにはいられません。
当ブログでも、
- 050 plus | NTTコミュニケーションズがSkypeとソフトバンクにガチンコ勝負を仕掛けた! - なりなり日記
- 050 plus | NTTから出たIP電話アプリがスタートダッシュで見事にコケてますね - なりなり日記
- やっぱりSkype!iPhoneのIP電話アプリで通話代を節約しよう! - なりなり日記
- Skypeオンライン番号を取得したら、ついでに嬉しい発見が! - なりなり日記
このあたりのエントリーへのアクセスが急増しており、皆さんの関心の高さも感じ取れます。
ドコモに相談せずに世に出した NTTコム「iPhoneアプリ」の妙|inside Enterprise|ダイヤモンド・オンライン
更にこんな記事まで!中々衝撃的な内容です。
050 plusはAndroid版もリリース予定ですから、Skypeに続いて、Androidユーザーと無料かつ快適に通話出来る手段が増えます。問題は、ガラケーユーザーの友達ですが、彼らも今後数年でスマホに切り替えてくれるでしょう。
少し前のプッシュトークなんていう、おもちゃのトランシーバーもどきのパケット音声サービスは一体何だったのか!?隔世の感が有ります。
待ち受け時の消費電力が気になる!
残念ながら、050 plusもSkypeも待ち受けが苦手で、着信するにはバックグラウンドで動かしておかなければなりません。そこで気になるのが、バックグラウンドで動かしておいた時のバッテリーの消費具合です。
IP電話アプリは、というか、Skypeアプリはバッテリー消費が激しいと、よく聞きますが、具体的にどの程度なのかは聞いたことが有りません。
そこで今回は、本当にバッテリーの電力を大量消費するのかを実機検証します。
検証条件
- 使用端末 iPhone 4
- 無線接続 3G(Wi-Fi OFF) or Wi-Fi(3G ON)
- Bluetooth OFF
- メール受信 手動
- プッシュ ON(GmailやGoogleカレンダーはOFF)
- IP電話以外のアプリはバックグラウンドで動作させない
- 長時間測定のため、就寝時に測定
こんな感じで、バッテリー充電100%の状態で就寝して、朝起きた時のバッテリー残量を確認します。
このレビューをしようと思った時には、一回の比較で、「ほら、050 plusは素晴らしい!」と書けることを期待したのですが、そうはならなかったため、結構時間がかかってしまいました…
追記
ちなみに、Skypeは、iOSの設定の中のSkypeの項目の中に
オフラインにする時間の設定が有りますが、今回の検証では「表示しない」にしています。これは、日本語訳がおかしい様で、動作的には「オフラインにしない」です。
Wi-Fiで待ち受けした場合
スマホユーザーは自宅にWi-Fiを設置している方が多いでしょうから、自宅にいる時は、Wi-Fi接続状態で待ち受けすることになります。自宅に帰ったら3GをOFFという方は少数派だと思いますので、ONのままとします。
この時のバッテリー消費はどの程度なのか検証しましょう。
050 plusの場合
バッテリー消費 | 測定時間 | 一時間あたりの消費 | 推定待受時間 | |
---|---|---|---|---|
1 | 7% | 6:31 | 1.07% | 93時間 |
2 | 9% | 7:39 | 1.02% | 98時間 |
3 | 6% | 6:04 | 0.82% | 121時間 |
平均 | ー | ー | 0.97% | 103時間 |
まあ、一時間で1%未満ですから、許容範囲ですよね。
Skypeの場合
バッテリー消費 | 測定時間 | 一時間あたりの消費 | 推定待受時間 | |
---|---|---|---|---|
1 | 1% | 7:14 | 0.14% | 714時間 |
2 | 5% | 6:48 | 0.73% | 136時間 |
3 | 4% | 5:59 | 0.66% | 151時間 |
平均 | ー | ー | 0.51% | 196時間 |
Skypeなら、更に半分程度のバッテリー消費です。
3Gで待ち受けした場合
外にいる時の待ち受けは、こちらにあたります。Wi-FiはOFFにします。
050 plusの場合
バッテリー消費 | 測定時間 | 一時間あたりの消費 | 推定待受時間 | |
---|---|---|---|---|
1 | 10% | 7:37 | 1.31% | 76時間 |
2 | 12% | 7:50 | 1.53% | 65時間 |
3 | 16% | 8:17 | 2% | 50時間 |
平均 | ー | ー | 1.61% | 62時間 |
Wi-Fiでの待ち受けより倍近いバッテリー消費ですが、めちゃくちゃ多いと言うほどでは有りませんね。
Skypeの場合
バッテリー消費 | 測定時間 | 一時間あたりの消費 | 推定待受時間 | |
---|---|---|---|---|
1 | 5% | 6:28 | 0.77% | 129時間 |
2 | 7% | 8:02 | 0.87% | 114時間 |
3 | 8% | 8:13 | 0.97% | 103時間 |
平均 | ー | ー | 0.87% | 115時間 |
3Gでの待ち受けでも、050 plusの半分ほどです。
結論
検証結果をまとめると
通信環境 | アプリ | 1時間あたりの平均バッテリー消費 | 推定平均待受時間 |
---|---|---|---|
Wi-Fi | 050 plus | 0.97% | 103時間 |
Wi-Fi | Skype | 0.51% | 196時間 |
3G | 050 plus | 1.61% | 62時間 |
3G | Skype | 0.87% | 115時間 |
如何でしょうか!?
どのみち、スマホは毎日充電する、というか、頻繁に利用する人は一日ももたないのが普通ですから、アプリ単体としては、気になるほどのバッテリー消費では無いと思いませんか?
勿論、待ち受け状態は人によって様々で、評価が難しいところですが、IP電話アプリによるバッテリー消費の検証方法としては、いい線をいっていると思います。
特に、Skypeは、3Gでの待ち受けでも、一時間に1%も消費しません。これなら、バックグラウンドで動かしておいても気にならない程度です。
Skypeの待受はバッテリー消費が激しいというのが通説だったのですが、都市伝説ですか?!
050 plusは後発ですし、出来ればもう一工夫欲しいですね。頑張れ!国産!NTTコミニケーションズ!意地を見せて欲しい。
問題は、iOSの場合はメモリーオーバーになれば強制終了されてしまうので、バックグラウンドで動かし続けることが保証出来ないことです。更に、アプリの自動起動が出来ないので、適度な間隔で手動起動させなければなりません。
この辺りは、アプリで工夫して欲しいというのも有りますが、そろそろIP電話アプリもたくさん出てきていますし、OS側でサポートしてくれてもいい気がします。
iOS5で改善されていることを期待します。